新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針

「我が家の災害対策と、備えるべき防災用品」です。

「首相官邸」さまより重要な発表がございましたので、ここに掲載させて頂きます。

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新型コロナウイルス感染症災害対策の基本的対処方針
令和02年0月28日 新型コロナウイルス感染症災害対策本部決定
https://www.cas.go.jp/jp/influenza/kihon_h.pdf

政府は、新型コロナウイルス感染症への災害対策は危機管理上重大な課題であるとの認識の下、国民の生命を守るため、これまで水際での対策、まん延防止、医 療の提供等について総力を挙げて講じてきた。
しかしながら、国内においては、 すでに感染経路の不明な患者の増加している地域が散発的に発生しており、 引き続き、持ちこたえているものの、一部の地域で感染拡大が見られ、今後、 地域において、感染源が分からない患者数が継続的に増加し、こうした地域が 全国に拡大すれば、どこかの地域を発端として、爆発的な感染拡大を伴う大規 模な流行につながりかねない状況にある。
さらに、世界的に患者数と死亡者数 の急激な増加が見られ、国内で発見される輸入症例も増加している。
このような状況を踏まえ、令和2年3月26日、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成 24年法律第31号。以下「法」という。)附則第1条 の2第1項及び第2項の規定により読み替えて適用する法第 14 条に基づ き、新型コロナウイルス感染症のまん延のおそれが高いことが、厚生労働 大臣から内閣総理大臣に報告され、同日に、法第 15 条第1項に基づく政 府対策本部が設置された。



国民の生命を守るためには、高齢者等を始め、感染者数を抑えること及び医 療提供体制や社会機能を維持することが重要である。 現時点では、国内では、未だ大規模なまん延が認められる地域があるわ けではないが、積極的疫学調査等のまん延防止策により、各地域において 感染経路の不明な患者やクラスター(患者間の関連が認められた集団。
以下 「クラスター」という。)の発生を封じ込めることが、いわゆるオーバーシ ュートと呼ばれる爆発的な感染拡大(以下「オーバーシュート」という。) の発生を防止し、感染者、重症者及び死亡者の発生を最小限に食い止めるためには重要である。
また、必要に応じ、外出自粛の要請等の接触機会の低減を組み合わせて 実施することにより、感染拡大の速度を可能な限り抑制することが、上記の 封じ込めを図るためにも、また、医療提供体制を崩壊させないためにも、重 要である。 あわせて、今後、国内で感染者数が急増した場合に備え、重症者等への対 応を中心とした医療提供体制等の必要な体制を整えるよう準備することも 必要である。
このように、国民の生命を守るため、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況を的確に把握し、国や地方公共団体、医療関係者、専門家、事業者 を含む国民が一丸となって、新型コロナウイルス感染症対策をさらに進めていく ため、今後講じるべき対策を現時点で整理し、ここに法第 18 条第1項に規 定する基本的対処方針(以下「基本的対処方針」という。)として、対策を 実施するにあたって準拠となるべき統一的指針を示すものである。
なお、新型コロナウイルス感染症は新型インフルエンザとはウイルスも 病態も異なる感染症であることから、新型インフルエンザ等対策政府行動 計画(平成25年6月7日閣議決定)等の既存の計画を参考にしつつも、柔 軟に対策を選択していく必要があるが、政府としては、地方公共団体、医 療関係者、専門家、事業者を含む国民の意見をくみ取りつつ、協力して直 ちに対策を進めていくこととする。



一 新型コロナウイルス感染症発生の状況に関する事実
我が国においては、令和2年1月15日に最初の感染者が確認された後、 3月26日までに、合計42都道府県において合計1,349人の感染者、46人 の死亡者が確認されている。
国内の感染状況については、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 (第8回)において、クラスターの感染源が分からない感染者の増加が生じている地域が散発的に発生しており、引き続き、持ちこたえているものの、一部の地域で感染拡大が見られ、今後、地域において、感染源が分からない患者数が継続的に増加し、こうした地域が全国に拡大すれば、どこ かの地域を発端として、爆発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりか ねないと評価されている。
一方で、海外の状況としては、令和2年3月27日現在、新型コロナウイ ルス感染症が発生している国は、南極大陸を除く全ての大陸に存在する状 況となっており、イランや欧米ではオーバーシュートの発生も確認されて いる。
また、こういった状況の中で、本年3月19日以降、海外において感 染し、国内に移入したと疑われる感染者が連日 10 人を超えて確認されて おり、また、これらの者が国内で確認された感染者のうちに占める割合も 13%(3月11日―3月18日)から29%(3月19日―3月25日)へ増加している。
らに、移入元の国については、流行当初は中華人民共和国 に集中していたが、現在では欧米を中心として多様化しており、輸入症例 の増加及び多様化の両面の影響を今後受ける可能性がある。 新型コロナウイルス感染症については、下記のような特徴がある。 ・ 一般的な状況における感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染である が、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下で あれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあ るとされている。
・ 集団感染が生じた場の共通点を踏まえると、特に@密閉空間(換気 の悪い密閉空間である) 、A密集場所(多くの人が密集している) 、B 密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる) という3つの条件が同時に重なる場では、感染を拡大させるリスクが 高いと考えられる。
・ 世界保健機関(World Health Organization: WHO)によると、現時 点において潜伏期間は1-14日(一般的には約5日)とされており、ま た、厚生労働省では、これまでの新型コロナウイルス感染症の情報など も踏まえて、濃厚接触者については 14 日間にわたり健康状態を観察す ることとしている。
・ 新型コロナウイルスに感染すると、発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多いことが報告 されている。
・ 中国における報告(令和2年3月9日公表)では、新型コロナウイルス感 染症の入院期間の中央値は11 日間と、季節性インフルエンザの3日間 よりも、長くなることが報告されている。 ・ 罹患しても約8割は軽症で経過し、治癒する例も多いことが報告されている。
・ 重症度としては、季節性インフルエンザと比べて死亡リスクが高いことが報 告されている。
中国における報告(令和2年2月28日公表)では、確定患者 での致死率は2.3%、中等度以上の肺炎の割合は18.5%であることが報告され ている。季節性インフルエンザに関しては、致死率は0.00016%-0.001%程度、 肺炎の割合は 1.1%-4.0%、累積推計患者数に対する超過死亡者数の比は約 0.1%であることが報告されている。このように新型コロナウイルス感染症に おける致死率及び肺炎の割合は、季節性インフルエンザに比べて、相当程度高 いと考えられる。また、特に、高齢者・基礎疾患を有する者では重症化するリ スクが高いことも報告されており、医療機関や介護施設等での院内感染対策、 施設内感染対策が重要となる。上記の中国における報告では、年齢ごとの死亡 者の割合は、60歳以上の者では6%であったのに対して、30歳未満の者では 0.2%であったとされている。 ・ 現時点では、有効性が確認された特異的な抗ウイルス薬やワクチンは 存在せず、治療方法としては対症療法が中心である。なお、現時点では ワクチンが存在しないことから、新型インフルエンザ等対策政府行動計 画に記載されている施策のうち、予防接種に係る施策については、本基 本的対処方針には記載していない。その一方で、治療薬としては、いくつ か既存の治療薬から候補薬が出てきていることから、患者の観察研究 等が進められている。

二 新型コロナウイルス感染症の災害対策に関する全般的な方針
・ 情報提供・共有及びまん延防止策により、各地域においてクラスター等 の封じ込め及び接触機会の低減を図り、感染拡大の速度を抑制する。

・ サーベイランス・情報収集及び適切な医療の提供により、高齢者等を守り、重症者及び死亡者の発生を最小限に食い止めるべく万全を尽くす。
・ 的確なまん延防止策及び経済・雇用対策により、社会・経済機能への 影響を最小限にとどめる。
・ なお、対策は、感染者の増加に伴い不可逆的に進むものではなく、例え ば、地域で感染者が確認された早期の段階で、クラスター等の封じ込め 及び接触機会の低減が奏功し、当該地域での感染者の発生が抑制された 場合には、強化した対策を適宜適切に元に戻す。

三 新型コロナウイルス感染症災害対策の実施に関する重要事項
(1)情報提供・共有
@ 政府は、以下のような、国民に対する正確で分かりやすく、かつ状況 の変化に即応した情報提供や呼びかけを行い、行動変容に資する啓発を 進めるとともに、冷静な対応をお願いする。
・ 発生状況や患者の病態等の臨床情報等の正確な情報提供。 ・ 国民にわかりやすい疫学解析情報の提供。 ・ 手洗い、咳エチケット等の基本的な感染対策の徹底。
・ 風邪症状など体調不良が見られる場合の休暇取得、学校の欠席、外 出自粛等の呼びかけ。
・ 感染リスクを下げるため、医療機関を受診する時は、あらかじめ電話で 相談することが望ましいことの呼びかけ。
・ 厚生労働省が作成する「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診 の考え方」をわかりやすく周知。 ・ 感染者・濃厚接触者や、診療に携わった医療機関・医療関係者その他の対 策に携わった方々に対する誤解や偏見に基づく差別を行わないことの呼び かけ。
A 政府は、広報担当官を中心に、官邸のウェブサイトにおいて厚生労働省 等の関係省庁のウェブサイトへのリンクを紹介するなどして有機的に連 携させ、かつ、SNS等の媒体も積極的に活用することで、迅速かつ積極的に国民等への情報発信を行う。
B 政府は、民間企業とも協力して、情報が必ずしも届いていない層に十分 な情報が行き届くよう、丁寧な情報発信を行う。
C 厚生労働省は、感染症の発生状況やクラスターの発生場所、規模等につ いて迅速に情報を公開する。
D 外務省は、感染が拡大している国に滞在する邦人等への適切な情報提 供、支援を行う。
E 政府は、検疫所からの情報提供に加え、企業等の海外出張又は長期の 海外滞在のある事業所、留学や旅行機会の多い大学等においても、帰国 者への適切な情報提供を行い、渡航の是非の判断・確認や、帰国者に対 する2週間の外出自粛の要請等の必要な対策を講じるよう周知を図る。
F 政府は、国民、在留外国人、外国人旅行者及び外国政府への適切か つ迅速な情報提供を行い、国内でのまん延防止と風評対策につなげる。
G 地方公共団体は、政府との緊密な情報連携により、様々な手段により住 民に対して独自のメッセージや注意喚起を行う。
H 政府は、今般の新型コロナウイルス感染症に係る事態が行政文書の管理 に関するガイドライン(平成 23 年4月1日内閣総理大臣決定)に基づく 「歴史的緊急事態」と判断されたことを踏まえた対応を行う。地方公共団 体も、これに準じた対応に努める。

(2)災害対策としてのサーベイランス・情報収集
@ 地方公共団体は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関す る法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)第12条 に基づく医師の届出により疑似症患者を把握し、医師が必要と認める検査 を実施する。
A 厚生労働省は、地方衛生研究所や民間の検査機関等の関係機関における検査体制の強化を図る。
また、都道府県は、医療機関等の関係機関により 構成される会議体を設けること等により、PCR等検査の実施体制の把握・ 調整等を図り、民間検査会社等を活用する。
B 都道府県別にPCR等検査の実施人数や陽性者数、陽性率等の分析結果 を定期的に公表する。
C 厚生労働省は、感染症法第12条に基づく医師の届出とは別に、国内の流 行状況等を把握するため、既存のサーベイランスの効果的な利用やさらに 有効なサーベイランスの仕組みを構築する。仕組みの構築に当たっては現 場が混乱しないように留意する。 D 文部科学省及び厚生労働省は、学校等での集団発生の把握の強化を図る。 E 政府は、迅速診断用の簡易検査キットの開発を引き続き進める。

(3)まん延防止への災害対策
@ 都道府県は、まん延防止策として、クラスター対策及び接触機会の低 減を、地域での感染状況を踏まえて、的確に打ち出す。
A 地方公共団体は、厚生労働省や専門家と連携しつつ、積極的疫学調査に より、個々の濃厚接触者に対する健康観察、外出自粛の要請等を行うとと もに、感染拡大の規模を正確に把握する。
B 都道府県は、クラスターが発生しているおそれがある場合には、法第 24条第9項に基づき、当該クラスターに関係する施設の休業や催物( イ ベント)の自粛等の必要な対応を要請する。これに関連し、国及び地方 公共団体間で緊密に情報共有を行う。
C 都道府県は、密閉空間、密集場所、密接場面という3つの条件が同 時に重なるような集まりについて自粛の協力を強く求めるとともに、全 国的かつ大規模な催物等の開催については、リスクへの対応が整わない 場合は中止又は延期することを含め、主催者による慎重な対応を求める。 その上で、感染が拡大傾向にあり、オーバーシュートの予兆がみられる などの地域では、期間を示した上で、外出や催物の開催の自粛について 協力を迅速に要請する。その結果、感染が収束に向かい始めた場合には、 感染拡大のリスクの低い活動から自粛の要請の解除を行うこととする。 特に大都市圏では、人口数及び人口密度が高く、交通の要所でもあるこ とを踏まえて、十分な注意を払うこととする。
D 政府は、関係機関と協力して、クラスター対策にあたる専門家の確 保及び育成を行う。
E 厚生労働省は、関係機関と協力して、特に、感染拡大の兆しが見られ た場合には、専門家やその他人員を確保し、その地域への派遣を行う。
F 政府及び地方公共団体は、クラスター対策を抜本強化するという観点か ら、保健所の体制強化に迅速に取り組む。これに関連し、都道府県は、管内 の市町村と迅速な情報共有を行い、また、対策を的確かつ迅速に実施する ため必要があると認めるときは、法第24条に基づく総合調整を行う。さら に、都道府県は、クラスターの発見に資するよう、都道府県間の迅速な情報 共有に努めるとともに、政府は、対策を的確かつ迅速に実施するため必要 があると認めるときは、法第20条に基づく総合調整を行う。なお、政府は、 感染症法第 12 条に基づく都道府県知事等から厚生労働大臣への報告が迅 速に行えるよう必要な支援を行う。 G 厚生労働省は、地方公共団体と協力して、医療施設や高齢者施設等におい て職員が感染源とならないようにすることも含め、院内感染や施設内感染 対策を徹底するよう周知を行う。 H 文部科学省は、3月 24 日に策定した「新型コロナウイルス感染症に 対応した臨時休業の実施に関するガイドライン」に関し、今後の感染拡 大の状況や専門家会議の見解を踏まえ、厚生労働省の協力を得つつ、学 校における感染防止や感染者が出た場合の対応、必要に応じ地域におけ る臨時休業の在り方等に関し追加的な指針を策定する。都道府県は、学 校設置者に対し、保健管理等の感染症対策について指導するとともに、 地域の感染状況や学校関係者の感染者情報について速やかに情報共有 する。 I 政府は、関係機関と協力して、公共交通機関その他の多数の人が集ま る施設における感染対策を徹底する。 J 政府は、職場等における感染の拡大を防止するため、労働者を使用す る事業者に対し、事業場内及び通勤・外勤時の感染防止のための行動(手 洗い、咳エチケット等)の徹底、在宅勤務(テレワーク)や時差通勤、

自転車通勤の積極的な活用、事業場の換気等の励行、発熱等の風邪症状 が見られる労働者への出勤免除(テレワークの指示を含む。)や外出自 粛勧奨、出張による移動を減らすためのテレビ会議の利用等を強力に呼 びかける。 K 政府は、水際対策について、国内への感染者の流入及び国内での感染 拡大を防止する観点から、入国制限、渡航中止勧告、帰国者のチェック・ 健康観察等の検疫の強化、査証の制限等の措置等を引き続き実施する。 なお、厚生労働省は、関係省庁と連携し、健康観察について、保健所の 業務負担の軽減や体制強化等を支援する。 L 諸外国での新型コロナウイルス感染症の発生の状況を踏まえて、必要 に応じ、国土交通省は、航空機の到着空港の限定の要請等を行うととも に、厚生労働省は、特定検疫港等の指定を検討する。 M 厚生労働省は、停留に利用する施設が不足する場合には、法第 29 条 の適用も念頭に置きつつも、必要に応じ、関係省庁と連携して、停留に 利用可能な施設の管理者に対して丁寧な説明を行うことで停留施設の 確保に努める。

(4)災害対策としての医療
@ 厚生労働省は、地方公共機関や関係機関と協力して、感染拡大の状況 に応じ、以下のように、地域ごとに柔軟な医療提供体制を確保する。
・ 現行では、帰国者・接触者相談センター及び帰国者・接触者外来により、 適切な感染管理を行った上で、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者へ の外来医療を提供すること。
・ また、医師の判断により検査を実施し、患者が認められた場合には、感染 症法第19条に基づく感染症指定医療機関等への入院勧告・措置を実施し、 まん延防止を行いつつ、患者に対し、適切な医療を提供すること。
・ 患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障をきたすおそれが あると判断する都道府県では、厚生労働省に相談の上、重症者等に対する医 療提供に重点を移す観点から、入院治療が必要ない軽症者等は自宅療養とし、

電話等情報通信機器を用いて遠隔で健康状態を把握していくとともに、医師 が必要とした場合には電話等情報通信機器を用いて診療を行う体制を整備 すること。
・ また、自宅療養とする際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等 への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等で の療養を行うことや、同居家族が一時的に別の場所に滞在すること等、家族 内感染のリスクを下げるための取組を講じること。
・ 患者が更に増加し帰国者・接触者外来での医療提供に支障をきたすおそれ がある地域では、地域の感染状況や医療需要に応じて、帰国者・接触者相談 センターの体制を強化したうえで、帰国者・接触者外来を増設し、外来を早 急に受診できる体制を整備すること。
・ さらに患者が増加し増設した帰国者・接触者外来での医療提供の限度を超 えるおそれがあると判断する都道府県では、厚生労働省に相談の上、必要な 感染予防策を講じた上で、一般の医療機関での外来診療を行うこと。
・ こうした状況では、感染への不安から安易に医療機関を受診することでか えって感染するリスクを高める可能性があることも踏まえ、症状が軽度であ る場合は、自宅での安静・療養を原則とし、状態が変化した場合に、かかり つけ医等に相談した上で、受診するよう周知すること。
A 厚生労働省は、地方公共団体や関係機関と協力して、オーバーシュートや今後の感染者の大幅な増加への災害対策として、必要に応じ、法第 31 条に基 づく医療等の実施の要請等も念頭におきつつ、以下のように、医療提供 体制の確保を進める。
・ 例えば、新型コロナウイルス感染症の患者を優先的に受け入れる医療機関 の指定など、地域の医療機関の役割分担を行うとともに、結核病床や一般の 医療機関の一般病床等の活用も検討し、ピーク時の入院患者を受け入れるた めに必要な病床を確保すること。
・ 専門性を有する医療従事者や人工呼吸器等の必要な医療機器・物資等を 迅速に確保し、適切な感染対策の下での医療提供体制を整備すること。
・ 医療機関は、業務継続計画(BCP)も踏まえ、必要に応じて医師の判断により延期が可能と考えられる予定手術や予定入院の延期を 検討すること。 ・ 地域の診療所など一般の医療機関に勤務している医療従事者の派遣を 検討すること。 ・ 例えば、重症化しやすい方が来院するがんセンター、透析医療機関及び産 科医療機関などは、必要に応じ、新型コロナウイルス感染症への感染が疑わ れる方への外来診療を原則行わない医療機関として設定すること。 ・ 地域でのオーバーシュートに備え、都道府県域を越える場合も含めた広域 的な患者の受入れ体制を確保すること。 B 厚生労働省は、この他、適切な医療提供・感染管理の観点で、次の事項に取 り組む。 ・ 関係省庁と協力して、オーバーシュートの発生に備えて、感染症病床等の 利用状況について一元的かつ即座に把握可能とする仕組みの構築を進める こと。 ・ 外来での感染を防ぐため、関係機関と協力して、医療機関の外来において、 一般の患者も含め、混雑を生じさせないよう、予約による診療や動線が適切 に確保された休日夜間急患センターの施設活用などを推進すること。 ・ 関係機関と協力して、外国人が医療を適切に受けることができるよう、医 療通訳の整備などを、引き続き、強化すること。 ・ 関係省庁・関係機関とも連携し、有効な治療薬やワクチン等の開発を加速 すること。特に、他の治療で使用されている薬剤のうち、効果が期待される ものについて、その効果を検証するための臨床研究・治験等を速やかに実施 すること。 ・ 法令に基づく健康診断及び予防接種については、適切な感染対策の下で実 施されるよう、時期や時間に配慮すること。

(5)経済・雇用対策
政府は、新型コロナウイルス感染症のまん延を防止するとともに、新型コ ロナウイルス感染症による内外経済や国民生活への影響を注意深く見極めながら、機動的に、必要かつ十分な経済財政政策を躊躇なく行うこととし、日本経済を確かな成長軌道へと戻すための思い切った措置を講じていく。
特に、 新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が縮小する中で影響を受けて いるフリーランスを含め、様々な形態で働く方々の雇用や生活を維持すると ともに、中小・小規模事業者や個人事業主の方々が継続して事業に取り組め るよう制度を整える。

(6)その他重要な災害対策事項
1)人権等への配慮
@ 政府は、患者・感染者や対策に携わった方々等の人権に配慮した取 組を行う。
A 政府は、海外から一時帰国した児童生徒等への学校の受け入れ支援 やいじめ防止等の必要な取組を実施する。
B 政府及び関係機関は、各種対策を実施する場合においては、国民の自由と権利の制限は必要最小限のものとするとともに、女性や障害者 などに与える影響を十分配慮して実施するものとする。

2)物資・防災用品の供給
@ 政府は、国民や地方公共団体の要望に応じて、マスクや消毒薬、食料品等防災用品の増産や円滑な供給を関連事業者に要請する。
また、政府は、 感染防止や医療提供体制の確保のため、マスク、個人防護具、人工呼 吸器等の必要な物資を国の責任で確保する。
例えば、重要な防災用品であるマスク等を国で 購入し、必要な医療機関や介護施設等に優先配布することや、感染拡 大防止策が特に必要と考えられる地域において必要な配布を行う。
A 政府は、マスクや消毒薬等の国民が必要とする物資を確保するため、 国民生活安定緊急措置法(昭和48年法律第121号)第26条第1項を適 用し、マスクの転売行為を禁止するとともに、過剰な在庫を抱えることの ないよう消費者や事業者に冷静な対応を呼びかける。
また、政府は、繰り返し使用可能な布製マスクの普及を進める。
B 政府は、事態の長期化も念頭に、マスクや抗菌薬の原薬を含む医薬品、

医療機器等の医療の維持に必要な資材の安定確保に努めるとともに、防災用品国産化の検討を進める。

3)関係機関との連携した災害対策の推進
@ 政府は、地方公共団体を含む関係機関等との双方向の情報共有を強化し、対策の方針の迅速な伝達と、対策の現場における状況の把握を行う。
A 政府は、対策の推進にあたっては、地方公共団体等の関係者の意見 を十分聞きながら進める。
B 地方公共団体は、保健部局のみならず、危機管理部局も含めすべて の部局が協力して対策にあたる。
C 政府は、国際的な連携を密にし、WHOや諸外国・地域の対応状況 等に関する情報収集に努める。
また、日本で得られた知見を積極的に WHO等の関係機関や諸外国・地域と共有し、今後の対策に活かして いくとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受ける 国・地域に対する国際社会全体としての対策に貢献する。

4)社会機能の維持
@ 指定公共機関及び指定地方公共機関は、電気、ガス、水道、公共交通、 通信等の維持を通して、国民生活及び国民経済への影響が最小となるよう 公益的事業を継続する。
A 政府は、指定公共機関の公益的事業の継続に支障が生じることがないよ う、必要な支援を行う。
B 政府は、空港、港湾、医療機関等におけるトラブルなどを防止するた め、必要に応じ、警戒警備を実施する。
C 警察は、混乱に乗じた各種犯罪を抑止するとともに、取締りを徹底 する。

5)その他
@ 今後の状況が、緊急事態宣言の要件に該当するか否かについては、 海外での感染者の発生状況とともに、感染経路の不明な患者やクラス ターの発生状況等の国内での感染拡大の状況を踏まえて、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるか否かについて、政府 対策本部長が基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上 で総合的に判断することとする。
A 政府は、基本的対処方針を変更し、又は、緊急事態を宣言するにあたっては、基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で行う。

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by 我が家の災害対策と、備えるべき防災用品




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