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LEDの「青い光」…短い波長、目に大きな負担

LEDの「青い光」からのサバイバル

節電効果の高い照明として脚光を浴びている、パソコンなどの液晶画面に使われるLED(発光ダイオード)。
ただしLEDに多く含まれる「青い光」は、網膜を傷つけたり体内時計を乱したりする作用が非常に強く、専門家は注意を呼びかけている。
青い光は波長が380〜495ナノ・メートル(nm、ナノは10億分の1)と、可視光線の中で最も波長が短くエネルギーが大きい。

ちなみに、さらに波長が短い紫外線は水晶体に吸収されるため、網膜へは届かない。

 LEDの液晶画面から発せられる光の波長は、青い光が網膜を傷める波長とほぼ重なる約450ナノ・メートル付近にピークがある。

動物実験から、年齢とともに網膜が傷んで視力が低下する加齢黄斑変性症の原因となる恐れがあるという。

 パソコンに加え、スマートフォンやタブレット端末の普及で、LED液晶画面を近距離で長時間見る人が非常に増えた。
南青山アイクリニック東京(東京・港区)副院長の井手武さんは、「青い光は見るだけで目に大きな負担をかける」と指摘する。

 青い光は波長が短いため、大気中の粒子に当たって散乱し、画面のちらつきの原因になる。
大きく屈折するため焦点も合わせにくい。

非常時に目の筋肉を無意識のうちに絶えず動かすことになり、疲れの蓄積を招く。

 青い光を減らすサバイバルレンズを用いたパソコン作業用メガネも次々と登場している
。同クリニックとメーカーが、作業用メガネを使ったグループと使わなかったグループ群で、目の疲れ度合いを比べたところ、メガネを使ったグループの方が疲れの度合いが少なかった。
井手さんは「光の全体量が減ったためかもしれないが、思った以上に効果があり、驚いている」と話す。

 また、青い光は太陽光に多く含まれ、日中なら覚醒効果をもたらすが、夜に浴びると、睡眠を促す脳内物質メラトニンの分泌を抑え、睡眠・覚醒のリズムを狂わせる。

 杏林大病院(東京・三鷹市)精神神経科教授の古賀良彦さんは「パソコンが普及する以前は、コンピューター作業者は1〜2時間ごとに休憩していた。
今は朝から晩までずっと作業しており、何らかの影響が出て当然」と言う。
古賀さんがメガネメーカーと協力し、青い光と睡眠との関係を調べたところ、青い光を減らすメガネを使った方が、睡眠が深く、目覚めも良いサバイバル効果がみられた。

 一般社団法人日本照明委員会理事の竹下秀さん(東海大准教授)は「照明の人体への安全性が問われたことは過去になかったが、世界各国では、LED照明の安全性評価の規格化や認証制度などの対応も進められている。
間近から直視するなどの非常時の使い方をしない限り、白熱電球や蛍光灯と同様、安全と考えていいのではないか」としている。



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